2012年9月10日月曜日

古田敦也さんは捕手の常識を変えた

古田敦也さんと言えば、インサイドワーク、強肩、打撃どれをとっても素晴らしい選手で、
球史に残る捕手の一人です。
特に私が小学生の頃に活躍し出した選手なので、思い入れの強い選手の一人です。



古田さんは、頭脳面で注目を浴びがちですが、捕手の技術の面でもかなりの革命を起こした
方です。
2つほど例を挙げています。

・走者のいない時は左膝をついて捕球する
左膝を下げておけば、捕球の時に左膝が邪魔にならない。(特に右打者の内角)
外角に大きく外れた球は捕りにくくなるが、捕球できなくても走者がいないので構わない。

・ミット構えるときは人差し指は2時の方向にする
今までの捕手がミットを構えるときは人差し指を12時の方向に向け、扇のようにミットを使うのが
良しとされてきた。
しかし、古田さんは人差し指を2時の方向にし、わきを開けて構える。
そうすると、低めの捕球の時にミットが落ちない。


これだけでなく、スローイング手法などでも独特の考え方を持っています。

このような今までと全く違う捕手の技術を取り入れたのも古田さんでした。
頭脳だけでなく、捕手の技術革新をもたらしたのです。


本当に偉大です。



2012年9月9日日曜日

【日米の違い】キャッチャーのブロック時のマスク

18U世界大会での日本チーム森捕手へのアメリカチームのタックルが話題になっていますね。
ルール上は認められている行為のためお咎めなしですが、18歳以下の試合はルールを設けるなどした方が良いかもしれません。

さて、本題です。
日本では本塁送球が来る前にマスクを外すように指導されています。
これは送球を見やすくするための行為です。
プロ野球でも一昔前までは殆どの捕手がマスクを外して本塁送球を受けていました。
(現在では多くの捕手がマスクをつけたままです)


かたや、アメリカの捕手を見ると本塁送球を受ける時はマスクを外しません。

この違いは何かと言うと、クロスプレーへの考え方の違いです。
日本の選手は本塁に突入するとき、タックルをすることは殆どありませんが、アメリカの選手は
タックルをしてきます。

つまり、マスクもタックルを食らった場合の防具の一つとして利用しているのです。


では、今回の森捕手はと言うと、マスクを外していました。
マスクをつけていれば、1回目のタックルで目の上を負傷することは無かったかもしれませんね。

育ってきた野球環境の違いから起こる捕手への指導の違いが見られたプレーでした。

2012年9月6日木曜日

追い込んでからの抜けたスライダーは案外空振りする

投手経験のある方なら結構感じたことがあるかもしれません。
打者も打席で感じたことがあるかも。


2ストライクに追い込んだ後、決め球のはずのスライダーがすっぽ抜けて高めに浮いた時って
不思議と空振りが取れたりします。
投げた瞬間は「やべっ」と思うのですが、なぜか打者が空振りしてくれます。

原因は恐らく打者にあって、「2ストライクだから厳しいコースに決めてくるはずだ」という思い込んだ
ところに高めに浮いた甘い球が来ると、「まさか」といった感覚で振るため空振りするんじゃないかと思っています。


そういえば、野村克也さんが以前こんなことを言っていました。
「2ストライク3ボールからボール球を投げさせると打者は空振りする」と。

絶対ストライクが来るだろうと思っているところにボール球がくる。
厳しいところに来るだろうと思っているところに甘いボールがくる。

配球って厳しいコースばかりを突くことが全て正解というわけではないのかなというお話でした。

2012年9月2日日曜日

守備のフォーメーションは選手個々の能力を考える

私の作成しているサイトに野球 守備フォーメーション(http://formation.kbaseball.net/)というサイトがありますが、そこに掲載されているフォーメーションはあくまで一般的に多く使われているフォーメーションをベースに作成しています。

そのため、必ずしもサイトに掲載されてフォーメーションが正しいという訳ではありません。
チームによってはフォーメーションを組み替えることがよくあります。

例えば、よくあるのがプロ野球です。
一般的にランナー2塁でのセンター前ヒットやライト前ヒットではファーストが本塁送球のカットマンに入りますが、プロ野球ではファーストにさほど守備能力の高くない外国人選手を置くことがあります。

このような場合はファーストがカットマンではなく、セカンドがカットマンとして入ることがよくあります。


また、現楽天イーグルスの松井稼頭央選手が西武ライオンズに在籍していた時はその強肩を活かすため、極力松井稼頭央選手にカットプレーを行わせていました。

プロでもチームの能力に合わせたフォーメーションを行っている訳です。

アマチュア、特に少年野球や中学野球では能力の高い選手を9人集めるのは容易ではありません。
そのため、フォーメーションも自分のチームに合わせた、個々の能力に合わせたフォーメーションを組むようにしましょう!

2012年8月29日水曜日

ティーチングとミーティング

タイトルはとある高校野球指導者の話を集めた本で「なるほど」と思った言葉です。

その高校ではミーティングは行っているけど、そのミーティングは結局のところ指導者から話すばかりでティーチングになっていたそうです。


これって結構当てはまるチームは多いのではないかと思います。
ミーティングとは名ばかりで結局指導者が選手に対して教えているだけになってしまう。

ミーティングとは本来討論、議論の場です。
ミーティングを行うからには選手の自発的意見を促し、指導者はその議論に対してアドバイスを与えてあげるぐらいにしなければいけないのでは思います。

選手が発言するということは、選手たちが自ら考えることにも繋がります。

強いチームの多くは選手個々が自分自身で求められている役割、仕事を分かっています。

ティーチングからミーティングへ!
チームが一皮向けるには欠かせない考え方だと思いました。

2012年8月18日土曜日

勝てないチームを勝てるチームにするための段階

勝てないチームをまずコンスタントに勝たせたいと考えるのであれば、まずは守備と走塁を徹底的に鍛えるべきだと私は考えている。
守備と走塁にはスランプがなく、練習量と意識改革がそのまま結果に繋がってくる。

前提は高校野球。

まず、守備面は捕球、送球はもちろんカバーリングの意識の徹底。これを行うことで、仮にエラーが発生したとしても、その被害は最小限に抑えることができる。
勝てるチームと勝てないチームの違いによくあるのが、ミスの被害をいかに最小限に抑えられるの違いがある。

そして、捕球、送球の当たり前のプレーを当たり前にすること。
こうすることで、失点を極力抑える。

番狂わせを起こすためには、少ない失点、極力0にして相手を慌てさせるのが重要だ。

次に投手力の整備。これが厄介。
そう簡単に好投手は作れない。そのため、単純に球速を上げる、変化球のキレをよくするのは当然行うが一筋縄には行かない。

であれば、徹底的にコントロールを磨かせて投球術を教え込む。
甲子園に出てくる投手でも120km/h台でも抑える投手はいる。こういった投手はコントロールと投球術に長けている。
一球一球に意味を持たせて、どう打ち取りたいかを常に考える意識付けをさせる。
これが出来てくれば、そう簡単には捕まらない。

続いて、走塁面。走る意識の変革を行う。
スタートはもちろん、常に1つでも先を狙う姿勢。例えば、ランナー2塁でのシングルヒットは必ず本塁生還出来るようにする。
ランナー1塁の右中間より右の打球は必ず3塁進塁するなどだ。

走塁は経験が命のため、とにかく経験をつませる。打撃練習の時には合わせて走塁練習も行わせて打球に対する感性を磨く。

ここまで出来れば、選手個々の能力は高くなくてもかなり勝てるチームに変貌する。

そして、うまくいって甲子園に出たとする。恐らく、打撃力の差で勝てないだろう。
甲子園で勝てるチームにするには打撃力強化は欠かせない。

ここから、初めて守備と走塁の上に打撃を鍛えていくことで、本当の意味での強豪チームへと変貌するだろう。

2012年8月17日金曜日

感覚論の指導からの脱却

野球の指導の現場においてよくあるのが感覚論による指導。

例えば、バッティングは「トップの位置でグッと溜める」とか「イチニのサンで打て」など。
ピッチングならば「リリースの瞬間に力を一気に爆発させるイメージ」とか「ガバッと投げる」など。

こういった指導は多くの現場で行われており、私も小学生の時にプロ野球選手から「リリースの瞬間に力を一気に爆発させるイメージ」と教わった。

言おうとしていることは分かるけど、こういった指導は小学生など野球経験の浅い選手が聞いて理解できるのだろうか?
そもそも、その感覚がない選手に対して、自分の感覚を伝えたところで簡単に伝わるものではない。

仮に感覚が伝わったところで、ではその感覚を自分のものにするためにはどうすればよいのだろうか?

この感覚を自分のものにするための動きのメカニズムを分かりやすく教えることが本当の指導なのではないかと常々考えている。

偉そうに書いてはいるが、私自身も感覚論で指導してしまうことはよくある。
感覚論で指導しているということはつまり、自分は出来てるけどなぜそうなるのかは分かっていない状態ということだ。

これでは、本当の意味での指導者とは言えない。

感覚論から脱却するためには私自身もっと勉強しなければいけない。
そして、日本全国の指導の現場から少しでも感覚論を取り払っていかなければ、真の日本野球のレベルアップには繋がらないと思う。